会長あいさつ

一般社団法人日本獣医皮膚科学会 会長
西藤公司

2025年3月に開催された第28回日本獣医皮膚科学会年次総会において新理事が選任され、理事の互選により、私が本会会長を拝命いたしました。

本会は、1972年8月に設立された小動物皮膚科研究会を前身とし、1998年に日本獣医皮膚科学会へと組織を改め、2013年には現行の一般社団法人日本獣医皮膚科学会として発足いたしました。これまで本会の設立および発展にご尽力くださった先人達のご功績に、あらためて深く感謝を申し上げるとともに、任期中は微力ながら日本の獣医皮膚科学分野のさらなる発展のために、本会を代表して誠心誠意尽力する所存です。

さて、今後の本会ですが、私の任期中は「国際連携」「啓蒙」「若手育成」の3点に注力した活動を展開していきたいと考えております。

本会は、日本国内における獣医皮膚科学の学術的発展を目的とした団体ですが、海外には北米、欧州、オセアニア、アジア、中南米など、大陸または地域単位での学術団体が存在します。これまで本会は、世界獣医皮膚科会議(WCVD)との連携を通じて、世界基準の獣医皮膚科学を会員の先生方に啓蒙してまいりました。今後は、WCVDのみならず、日本からも地理的・文化的に近いアジア・オセアニア地域の獣医皮膚科専門医協会との連携をさらに強化し、会員の先生方がより専門性の高い獣医皮膚科学に触れることができる環境を整えていきたいと考えております。

また、獣医皮膚科学は医学系皮膚科学の外挿から始まった学問であり、今日においても医学系研究分野や臨床分野から多くの知見を得ています。そこで今後は、医学系皮膚科学との連携を一層強化し、会員の先生方が最先端の皮膚科学に触れるとともに、比較皮膚科学の発展に本会が貢献できるような土壌を育んでいきたいと考えております。

本会認定医制度は2007年に制定され、獣医皮膚科専門医や各分野の専門家の指導の下、「皮膚科に強いホームドクター」を育成するために設けられました。2025年現在、すでに116名の認定医を輩出しております。今後は、社会における本会認定医の位置づけをさらに明確にするとともに、本会認定医や国際獣医専門医を志す若手獣医師の育成と支援に努め、ペットの皮膚病に悩む市民が安心して動物病院を受診できる環境を全国に整えていきたいと考えております。

今後とも、本会正会員の先生方ならびに賛助会員企業の皆様におかれましては、本会の活動に対し一層のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。